そのパスタは、ウサギへの感謝があふれていた。

食べ歩き ,

内臓好きな僕としては、今夜の一番にあげたいのは、今まで食べた中で最もきれいな味わいに笑ったランプレドットだったが、そ内臓よりもやられたのはパスタだった。
なんと穏やかな味だろう。
秋の爽やかな風が吹き、植物の実りが始まる草むらに、ウサギが潜んでいる。
野菜の甘みに包まれて、ウサギの淡い滋味が舌を撫でる。
いつまでも噛んでいたい。
なくなっていくのが寂しい。
そんなパスタだった。
それはウサギの美味しさを熟知した、北イタリアの人たちの料理である。
ウサギへの感謝が味にあふれている。
だから胸を熱くし、しみじみと生へのありがたみがせりあがってくる。
食べて思った。
きっと奥村シェフは、豆の煮込みも美味いだろうなあと。
札幌「トラットリアオクムラ」の素晴らしき料理は、別コラムを参照してください