「痛風関係者閲覧注意」その②
「今夜は魚卵攻撃です」。
おそらく、きっと、間違いなく、こんなに多くの魚卵を食べた夜はない。
カラスミ餅スープ〜キャビアと来て、お次ぎはイクラ入り松前漬けである。
市販のそれとは違い、味がすっきりとしていくらでも食べられる(駄洒落とは違いまっせ)。
すいませんご飯下さい。
おおっとシェフが、焼きフグにカラスミを、これでもかとおろしている。
フグのうま味に、カラスミの雪が降る。
うまみとうまみでのけぞらせ、食べては、もうやめてと嬉しい悲鳴。
いややめわしないよと、今度は焼きウニの雲丹ソースがけがやってくる。
生ウニとわさびは合わないけど、ウニ臭さが消えた焼きウニの香ばしさとわさびは、見事な出会いもの。
酒が進んで困るんだよ。
飲み過ぎちゃうんだよ。ふふ。
おっと、今度は明太子になにかまぶしている。
出された皿は、一見デセール。いや「魚卵三兄弟」でございます。
カズノコの酒カス漬けは、酒粕の華やかな香りがカズノコに染みて、エレガント。そして鰹節を混ぜた味噌床に漬けたカラスミは、たまらなくエッチなんだなあ。
明太子は、自家製陳皮まぶし。
おやこれは驚き、ご飯が恋しくならない明太子である。
淑女の明太子である。
こいつは華やかで、シャンパンを呼ぶのである。
さてそろそろ、鍋と行きましょうか。
どかんと盛られた鮑と九条葱でしゃぶしゃぶはどうですか?
どうですかと言われても困っちゃう。
醤油に肝をつぶして肝醤油で食べてくれと言われても、困っちゃう。
アワビもうまいが、鮑の滋味がまとわりついた九条葱の甘みがいけません。
ちょっと艶っぽくなって、舌を誘惑します。
食べ終えたらここに“追いあわび”。麺を入れるんだと。
ああもうやめての嬌声が、あちらこちらから上がる。
最後は、全員笑顔の「やあー」で大阪の夜は更けていく。
こんなもんFBに上げれば、ヒンシュク間違いなしはわかるけど、魚卵だけでこれだけ変化と驚きを生む、関シェフの力量は伝えなければならないと上げてしまいました(正当化)。
え? 見ているだけで尿酸値が上がった?
だから注意と書いたのに。