東京
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栗はまだ
食べ歩き栗はまだ、起こされたことを知らない。 寝息をたてたまま、穏やかな甘味を忍ばせる。 1℃で氷温熟成させた栗のフランに、煮出した渋皮のムースが、てろんとしなだれ……
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年明けに居酒屋をめぐる
食べ歩き年明けに居酒屋をめぐる。 その楽しみの一つに、この時期だけの「おせち」がある。 おせちやその残りを使った料理が、品書きに登場するのである。 散々おせちを食……
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子豚は気持ちよく滑空している
食べ歩き子豚は、食いしん坊のテーブルの上を気持ちよく滑空しながら言う。 「早く食べて。おいしいよ」。 お顔とご対面し、失礼とは思いつつも、お尻からも眺めさせてい……
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おでん 燗酒 江戸の味。 「丸太ごうし」にて。
食べ歩き , 寄稿記事門上様、おでんの季節ですね。僕はこの時期になると、おでんのことばかり考えています。 おでんは、江戸末期に江戸で生まれ、大正時代に「関東炊き」と呼ばれて関西……
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明治の灯びが消えた
食べ歩き関東が鰹節で関西が昆布となった食文化の理由もこちらのご主人に教わりました。昆布は北海道、鰹節は九州が原産地で、流通が儲けるには遠い地域が適しているという理由で ……
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その店は路地にひっそりと佇んでいた。
食べ歩きその店は、路地にひっそりと佇んでいた。 四角いガス台、スリットが開いた鉄板という昔ながらのスタイルながら、肉の厚さも大きさもほぼ同寸で、誰が焼こうが焼きムラが……
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街の中華としての格
食べ歩き赤坂「珉珉」は、街の中華としての格を守っている。 気取らず、庶民的な値段で提供し、料理は素早く運ばれ、こだわりなどという野暮な言葉は使わず、丁寧な仕事を自慢も……
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ジェノヴェーゼはスパゲッティではなく
食べ歩き「ジェノヴェーゼはスパゲッティではなくて、こっちのほうが合うと思うんです」。 湧き立つ青々しい香りに包まれるジェノヴェーゼは、わざと固く茹でたトロフィエで和え……
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白子が、誇らしげに鎮座している。
食べ歩き蓋を取った瞬間、白味噌の丸い香りが頬を撫でた。 白子が、誇らしげに鎮座している。 汁を一口。 「ふうっ」。 安寧がカラダの底へ、降りていく。 続いて白……
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ハタの脂は
食べ歩きハタの脂は、半歩遅れてやってくる。 にゅるん。くにゃり。 ハタのコラーゲンが、唇や歯や舌を舐め尽くすと、ほんのりとした甘さが広がってから、脂が顔を出す。 ……
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