和食
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春の「小川はな食堂」
食べ歩きそこには、何百回も作ってきたものだけが持つ、揺るぎない味の深みがあった。 味が際までしみた蒟蒻。蛤のエキスの力強さ。おしたしとは何かを問う小松菜。甘辛く、し……
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四谷荒木町「大原」
啓蟄。
食べ歩き蓋を開けると、春がいた。 霞がかかった春の小山がある。 蛤のしんじょうは、固まる際で固められており、汁を一口飲んだ途端、滋養が体の隅々へと降りていった。 少……
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青森陸奥港「駅ナカ酒場623710」
朝の燗酒 蜜の味。
食べ歩き朝イチで燗酒を飲む。 このことが、どれくらい気持ちがいいか、今まで知らなかった。 朝イチの燗酒は、目覚めの舌に優しい。 いたわるように滑り込んで、するりと喉……
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銀座「はち巻岡田」
「揚げしんじょ」。
食べ歩き頭と殻をむいた芝海老を食感が残る程度に包丁で叩き、一割程度の玉ねぎみじん切りを入れ、酒と塩少々を入れてこねる。 きつね色に油で揚げて、ウースターと醤油半々に合……
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銀座「すきやばし次郎」
タコ。
食べ歩き今月の次郎 。 2月末。 いつも最後に2種類だけ、おかわりをお願いすることにしている。 次々と繰り出される握りを食べながら、思いが千々に乱れる。クリッと音が立……
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名古屋「吉い」
澄明なる滋味。
食べ歩きいいね!はきっと少ないだろう。映えない写真である。 ご主人は丸大根を取り出すと、端を切り、正確に七等分に切り、面取りをされた。 鍋に張った出汁に大根を入……
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銀座「はち巻岡田」
垢抜けた色気。
食べ歩き江戸っ子が最も大切にした美意識である「粋」とはなんだろうか? 九鬼周造は、「いきの構造」の中で、粋とは、「媚態」と「意気地」と「諦め」の3要素から成り立って……
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銀座「バードランド」
肉の香りは焼いてこそ現れる。
食べ歩き焼いた肉の魅力は、香りにある。 生肉と焼いた肉の大きな違いは、香りである。 だが最近はとんかつも焼鳥も、中心がレア気味で出す店が増えている。 芯まできっちり加……
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神楽坂「三菊」
白菜の声を聞く。
食べ歩き「昔は、白菜を自分の技術でもっと美味しくしてやろうと思って料理していましたが、今やめました」。 そうご主人は静かな口調で言われた。 「この料理法は、どうやって……
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赤坂「辻留」
雑煮の安らぎ。
根っからの雑煮好きなので、2月だというのに作っていただいた。 裏千家の初釜と同じ仕立てだという。。 うずらのミンチを骨ごと2度挽きして、白味噌と卵とほんの少……
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