おいしい日記
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「ふくべ」
食べ歩き「ふくべ」で独酌をする。 義理の汗が落ち、鈍色の悲しみが薄れていく。 隣の20代後半の若者たちが、仕事の話ばかりしながら、「熱いうちに早く食べてね」といわれ……
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とんかつ自伝 Vol4
食べ歩き , 寄稿記事十八になってとんかつに目覚めた。世間的には遅咲きである。 老いらくの恋と遅咲きのかつ狂いは、危ないという。 自制が利かないという。 泥沼にはまり(この場合は、……
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今夜は
食べ歩き , 日記今夜は、明石浦漁港のオコゼを、コトリヤードに。 完成。 セロリと人参にポロ葱がいい仕事をして甘い香りを放つ中、オコゼの滋味が汁に滲み出て、目がくらむほど、美……
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豆三題3
食べ歩き豆三題3 「うすい豆の煮びたし」を上手にできることこそが、いい料理人の証だと、昔上野修三さんがおっしゃっていた。 豆が煮られていることに気づいていない。……
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豆三題2
食べ歩き豆三題2 エンドウ豆を一旦揚げてから、魚香ソースで和える。 甘く、辛く、酸っぱいソースの中で、サクッと豆が弾ける。 弾け散ってほんのり甘さがにじみ出る……
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豆三題1
食べ歩き豆三題1 パスタの主役は、豆だった。 噛むと一瞬抵抗しながら歯が入っていく。 濃い緑色の香りを放ちながら、甘く舌の上を転がる。 日本のそれが初心なら、イ……
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目黒「とんき」
とんかつ自伝 Vol3
食べ歩きなにより驚いたのは、清潔で、明るく、油の匂いがしない。 半そでの、汚れのまったくない白いユニフォームを着て、きびきびと働く男女は、動きにムダがない。 やがてそ……
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目黒「とんき」
とんかつ自伝 Vol2
食べ歩き昔からとんかつが好きだったかというとそうでもない。 たまに連れて行ってもらった洋食屋では、好物のグリルチキンかエビフライと決まっていて、浮気することもなかった……
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とんかつ自伝 Vol1
食べ歩き「と・ん・か・つ」。 もしいま、耳元で囁かれたら、僕は一気に崩れ落ちる。 仕事やゴルフ、車や愛人(ちょっと見栄張りました)のことを考えていても、即座に思考は停……
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玉ねぎの蓋を取ると
食べ歩き玉ねぎの蓋を取ると、甘い芋の香りに交じってトリュフの色香が顔を包んだ。 目を細め、そっと笑う。 鶉の卵を潰し、スープとともにスプーンですくう。 ポタージュ……
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