「冷やしたぬきそば」である。
今回の会での最大の無茶振りであった。
食べると不思議。
「冷やしたぬきそば」ではないか。
そばの香りと味、揚げカスの油のコク、そばつゆの味、エビの香りが、丸くなって、ほのかに流れてくる。
冷やしたぬきそばをミキサーで回して、温めてゼラチンを入れ、それをエスプーマで回した野田という。
参りました。
「うざく」である。
うなぎときゅうりの酢の物である。
柔らかい酸味がある白いソースと鰻、きゅうりの香りがする緑のソースと鰻、胡瓜の薄切りと鰻。
これはまごうことなき「うざく」である。
だが我々の知ったる「うざく」ではない。
クロアチアあたりで生まれた「うざく」だろう。
ギリシャヨーグルトとレモンのソースと胡瓜のガスパチョの上に、蜂蜜とガルムを塗って蒲焼きにしたうなぎを少し温めて載せたのだという。
ギリシャヨーグルトの酸味が強すぎないのがいい。
それが古代ローマ風に焼いた鰻と合う。
やはりこれはクロアチアだな。
「だしのパスタ」である。
だしと言っても出汁ではない。
山形のだし、ダシである。
胡瓜、茗荷、オクラなどを細かく刻んで、3種類の貝の出汁と合わせたのだという。
上には生姜の泡。
貝の旨味に下笹絵支えられた冷たいカッペリーニは、粘りとともに、食欲を喚起させる。
まさに山形のだしと同じ原理であった。
麻布台ヒルズ「デプスブリアンツァ」にて