ウニとブロッコリー。

食べ歩き ,

ウニとブロッコリー。
誰がこの組み合わせを、想像するだろう。
しかし食べて、目を見開いた。
ウニの、かすかな磯香が、ブロッコリーのほのかな青い香りと共鳴して、美しい余韻を作っていく。
ウニの甘みと、クタクタになるまでじっくり炒めたブロッコリーの甘みが抱き合って、初夏の切なさを膨らます。
そこへ、厚い旨味を持った上質のブーズロンのアリゴテを流し込めば、時間がビロードとなった。
ウニが主役でも、ブロッコリーが主役でもない。
両雄が仲睦まじく、肩を抱き合い、一つになっている。
海と大地をつなぐ。
これこそが、中道博シェフの見識だろう。
円山公園の緑を眺めながら、食事をする気持ちの良さ。
「森見える」→「モリエール」と、シャレで名付けたこのレストランの包容力なのだろう。
札幌「モリエール」の全料理は別コラムを参照してください