大阪 千里山「柏屋」9/19

食べ歩き ,

大阪 千里山「柏屋」2018/9/19
1.先付 車海老炙り 栄螺軟煮 と肝 百合根 三つ葉  
日本酒乳化ソース溶き山葵 日本酒と太白で乳化させ、極少量の葛でとろみをつけたソースは、ふくよかな酸味の旨味が車海老やサザエを包み込んで、優美な情感を生む。

酒:篠峯ろくまる夏色生酒 奈良県
器:琵琶向付


2.煮物椀 鱧と汲み上げ湯葉入り玉子豆腐 もずく、干子軟煮 煮梅 柚子。玉子豆腐を月、細切り柚子を秋草、もずくを夜の雲に見立てたお椀。まずなによりつゆが素晴らしい。香りと旨味が出過ぎず、飲んだ瞬間細胞の隅々まで染み渡っていくような自然がある。玉子豆腐の
酒:Rias Baixas Albario2017
器:日月椀

3.造里 甘鯛昆布締め皮炙り 戻り鰹 剣先烏賊 防風、紅蓼、山葵、大根、人参、 酢橘割醤油 松前醤油  イカのねっとりとした甘みにカツオの鉄分、甘鯛の皮の香りとじれったい甘み。
酒:菊鷹 山廃純米 生 愛知県
器:秋草向付

4.八寸 かます焼き目寿司 酢蓮根 舞茸、三つ葉  
衣被唐納豆射込み 枝豆 栗甘露煮
鮑柔煮 肝 金時草浸し 椎茸 辛子黄身酢
酒:風の森 愛山 純米生原酒 奈良県
器:半月盆の上に、月見に使う色絵三宝、日月に見立てた金と銀の金天目と銀彩小皿

5.羹 雲龍焼 焼き雲丹含め煮 雲丹、菱蟹、岩茸、銀杏、霞生姜  出汁でしっかりと炊いた小芋と焼きウニで雲龍地を作り、具を詰めてスフレのように焼き上げた逸品。生地自体に甘みと一体となったまろやかな旨味があり、一口運んだだけで、顔が崩れる。雲丹、菱蟹、岩茸、銀杏それぞれに意味があり、一つにまとまるバランスが見事。
酒:Spatburgunder Bernhard Huber2015
器:蕎麦猪口

6.焼物 甘鯛海老塩辛漬焼き 中国料理からヒントを得たというスペシャリテ、岡山産の海老の塩辛に甘鯛を五分漬け込み、1時間置いて鱗ごと焼いたもの。艶っぽさがむんっと匂って、しなだれかかる。旨味がカーブを描いて迫ってくる。若狭焼が乙女なら、こいつは酸いも甘いもかみ分けて、流し目で誘う姐御さん。色気にときめき、うーんと唸ったまま、身動きできない

酒:天狗舞 山廃純米 石川県
器:imari1616

7.強肴 和牛低温蒸し 焼き茄子 葉唐辛子 味噌ダレ 実山椒ペースト。素晴らしい。A3からア4クラスの和牛を表面を焼いてから、酒とみりん、醤油の合わせ地に浸けて低音で蒸して切ったもの。しなやかさと味のしみ方と和食ならではの穏やかさがあって、実山椒と太白による香りが肉の滋味にアクセントする。付け合わせも見事。
酒:Chinon La N oblate2014
器:飴釉蓋物

8.箸休め パプリカすり流し  
    黄色パプリカとリンゴとサツマイモを合わせたすり流し。その三者のバランスがいい。

酒:仙禽かぶとむし 栃木県
器:正倉院瑠璃馬上杯

9.鉢 伊勢海老軟蒸 小蕪煮 ほうれん草、吉野餡 削り柚子

優しさもたくましさも、命の厳しさも暖かさも。
伊勢海老のすべてがそこにあった。
大阪 千里山「柏屋」の「伊勢海老軟蒸」である。
伊勢海老というのは、火を通すと硬くなる。さらに火を通せば、パサパサとなる。
だがそこからさらに加熱すると、柔らかくなっていく。それを利用した料理である。
伊勢海老の殻や脚から出汁をとり、そこに伊勢海老の胴体を入れて2時間ほどじっくり蒸し上げる。
そのまま一晩寝かせた後、出す前に50度の湯煎にかけて温める。
噛めば、熱々の伊勢海老はふわりと崩れて、口の中を舞い、淡く品のある甘みを落とす。
その時である。
濃厚なる海老の味がじわりと顔を出す。
じわじわり。
海の豊饒が口の中に溢れていく。
添えられた小蕪は、そんな伊勢海老の濃密をいなすかのように穏やかで、
口に含めば再び伊勢海老が恋しくなる。
「雲龍焼 焼き雲丹含め煮 」や「甘鯛海老塩辛漬焼き」、「和牛低温蒸し実山椒ペースト」などと並ぶ「柏屋」のスペシャリテは、未来の日本料理を見据えている。
シャンパンとのマリアージュが実にエレガント
酒: Loui Roederer Bruit Premier
器:秋草蓋物

10.御飯 鱧と青大豆炊き込みご飯 茗荷 大葉色紙 鱧の旨味に緑大豆の青い香り、茗荷のアクセントがピタリと収まって揺るぎない。しみじみとしたうまさ。
酒:柏樹子 純米吟醸 奈良県

11.汁 海苔汁 佐賀の香味海苔を使った汁。充足のため息つかせる

12.水物 梨、マスカット 巨峰羹
器:青磁輪花高杯

13.菓子 潭月 うぐいす粉 湖に映った月の姿、 潭月を模したお菓子。黒糖と黄身の餡、
酒:熟成味醂まろりか 九重味醂 愛知

14.かさね  柏屋が季節ごとに作る、銘菓。モスすでに百種類あるという。元の食材の香りを生きている点、極めて精緻、季節を投影している点。新しい世界に打って出ることのできる和菓子である。
白いのは、月白。甘酒と白あんこによる二層構造。時に月が白く見える時のある風情を菓子に込めた。黄と緑は、重陽の節句にちなんで山芋と食用菊の花びらを合わせた黄色。緑は

菊名、それと透明な部分による三層。

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