京都で食堂をはしごする <京都の平生>3

食べ歩き ,

京都で食堂をはしご。

男三人、朝になにを食べるか協議の結果、
「今日の朝食には、ラーメンがふさわしい」という僕の提案が可決され、中央卸市場に走る。
いわば京の築地。「石田食堂」は働く男たちの朝六時からの場内食堂。
出来ますものは、ラーメンと焼きめし カレーライス
と実にシンプル。
余計なものは一切ない、殺風景で、いかにも大衆食堂という風情なのに、ラーメン作るおかあさんはとてもおしゃれ。
「ラーメン三つ」。と頼むと
「おそば三つね」。ときた。いいなあ おそば。
「やわめですか固めですか?」
「固めで三つ」。
「はぁーい」。
お母さんの隣では、油の染みたようなおっちゃんが中華鍋を振り続けている。
そこまで鍋を返さなくてもいいのにおもうほど、延々鍋を返している。それを見たらねぇ。
「半メシひとつ追加してください」。
焼きめし。
ガーリックライスのように米はもっちりとしながら、ぱらり。ほんのり醤油の香り。オレンジ色の小片は人参か。
こってり味にネギと紅生姜が利いてるぞ。
ラーメン。
一口目はあっさりさらり。
「こいつは朝にふさわしい」
飲むとコラーゲン積もって、唇ねっとり。麺はかん水なしの白い自家製麺。
煮干と醤油がほんのり利いて優しい味。
煮豚もとろりと崩れて上出来だ。
分かっているよ太るのは、でも飲んじゃうもんね朝からスープ
「どうでした?」。浮いていたんだろうなあ僕たち。
「市場まで来たかいがありました」。
「よかったぁ」。

昼飯はY氏の提案で、上賀茂へ。
神社の前の「今井食堂」。
看板も暖簾も無き、素っ気無さ。
入らば 全員食べているのは、名物「サバの味噌煮」
ほかに出来ますものは、チキンカツとコロッケ。
さてサバの味噌煮の登場だい。
三日煮込んだというサバは、箸で触っただけではらりと崩れ、味噌の甘みも香りも丸まって、うまみだけが滲み出る。
サバは半分節化で、煮汁と渾然一体一心同体。
ああいけないご飯が進む。
そうだ京都に行こう。→来るといつも太るです。