豆部伊藤部長大変です。
高知市で「トラットリアトロドーロ」というイタリアンに入りました。
店は、ご主人一人で、サービスもいません。
ところがメニューを開けると、なんと料理が35種類もあるではありませんか。
「これお一人で大変ですねえ」というと
「いやそうでもないですよ」と言われる。
変態の匂いがプンプンです。
しかも煮込み料理がずらりとある。
豆料理がずらりとある。
取材6軒目でなかったら、10皿ほど頼んでいたかもしれません。
白いんげん豆とレンズ豆のスープ。
palta e fagioliてすね。
ああ、たまりません。
パニーニに挟んだ日本では珍しい提供の正統ランプレドット。
「日本ではバスケッタでの提供はあるけど、珍しいですね」
といえば
「はい狙いました」とニヤリ。
でも高知の人には、どれほどわかってくれるんだ。
それでも、自分の信じたものを作る。変態の匂いが、またしました。
羊とピーマンのラグーのキッタラ。
自家製!!バッカラのリヴォルノ風などなど
北イタリアの豆料理や煮込み料理が待ち構えているのです。
でも、イタリア料理の過疎地といわれる高知では受け入れられてないようで、今夜は僕らしか客はいませんでした。
お腹が限界でなかったら、片っ端からもっと頼みたかったです。
「日本で一番イタリアンの人口密度の高いと言われる京都から、一番人口密度の低い土地に来てしまいました」と、彼は笑う。
「開店当初は、もっととんがって、骨つきでビステッカ置いていたのですが、誰も頼む人がいなくて、諦めました。でも今日召し上がっていただいた豆のスープだけは、頼む人いなくても、作り続けています」。というので、
「ならば常連客に声かけて、二カ月か3カ月に一回、郷土料理に特化したディナーをやれば?
そこでなぜ骨つきなのか?
なぜこれが美味しいのか口上を述べてからやれば、しだいにファンは増えると思うよ。教えてくれたら、僕も来るから」と、小さなお節介を述べてみました。
高知に来る機会は、なかなかないと思いますが、この人のよさそうな、煮込み好きシェフの元にぜひおいでください。