3本のアスパラが並んでいる。
一本は低温で揚げて、四川火鍋風味に整えられ、一本は高温で揚げて、上海風葱油ソース風味に仕立てられ、白アスパラは、上湯と蒸された上湯風味である。
白アスパラはクタクタに加熱されて上湯の味わいが染み込み、口の中でゆったりと溶けていく。
上湯と白アスパラの境界線がなく、その気品が、優美な時間を運んでくる。
緑アスパラの根元は、柔らかく加熱されて甘みが膨らみ、上海風葱油ソースの濃密な甘味と馴染んで、抱き合う。
歯ごたえを残すような加熱では合わなかっただろううま味が生まれて、笑い出したくなる。
かたや四川火鍋風味は、シャキッと加熱されていた。
その痛快な食感と青々しい香りは、ソースの辛味や刺激的な香りと出会って、アスパラの力強さを舌に刻む。
ソースと共鳴するように加熱方法を変えた仕事は、アラン・パッサールの料理からヒントを得たという。
これこそ中国料理の未来を見通せる、孤高の料理である。
三味露筍
白金台「ShinoiS」の料理は