目黒「ラッセ」

食の未来、日本人の根源。   

食べ歩き ,

今月いっぱいで店を閉めると聞いたので「ラッセ」に駆けつけ、村山さんと今後のことを色々話せた。
「サカエヤ」の豚ミンチとシャンカール野口のスパイスで作ったラグーは、肉の旨味にインド香が漂って、エキゾチックな気分を運ぶ。
そしてズペシャリテである、4種チーズのトルテッリは、変わらずか生地の具合が、儚くもたくましく、美しい。
「サカエヤ」の近江牛モモ肉のタリアータは、肉のモチっとした食感と、その後から湧き出る滋味に酔い、ティラミスはどこよりも空気を含んでふわふわだった。
そして村山シェフは、もうレストランはやらないという。
営業的にも大成功を収めているこの店を、あえて閉店して目指すは、まず美味しいジムである。
多くの日本のボディビルダーたちが抱えている、美味しくない食事を変えてストレスをなくしたいという、今まで誰もやったことのないことを目指されるという。
第二に2050年まで見据えてやられているのが、今までも進めて来た宇宙食と月面基地のレストラン作りである。
第三に並行してやられて行こうとされているのが、「トレジャーディナー」という地方再生のイベントである。
どれも根底にあるのは、日本人のアインデンティーとしての食の危機である。
日本人ほど食に敏感で、真面目に取り組んでいる国民はいない。
しかし給料も上がらない状況の中では、どうしても安い食べ物、安価な外食に走ってしまう。
日本人繊細な味覚が失われていく。
それは食文化という、日本固有のアインデンティーの喪失ではないか。
実際若者たちの間には、食に興味のない人が増えている。
これではいけないと思い、村山さんはレストランをたたみ、三つの事業を立ち上げようとしている。
なぜこれらが、日本の食の未来を変えるのか。
その詳細はいつか。
本来は、こういうことに投資する投資家が増えればいいのにな。