青森 奥入瀬「ソノール」

肉と魚の両雄が並び立つ。  

食べ歩き ,

青森のフランス料理店「ソノール」の魅力は、メインの魚料理が、カリスマ鮮魚店「塩谷魚店」の魚をいただけ、肉料理は「サカエヤ」の肉がいただけることにある。
これって盆暮れが一緒に来たっていうことだよね。
先日の魚料理は、アブラメの炭火焼であった。
ソースは、フュメドポワソンにトマトやエストラゴンを加えたものである。
かなり大きなアブラメだろう。
脂がぐんとのって舌に迫るが、身のダレがない。
筋肉を感じさせる身の張り方があって、命が迫ってくる、見事なものであった。
一方肉料理は、経産牛の炭火焼である。
付け合わせは、オクラとマッシュポテトといういたって普通のものであるが、細かい仕事に個性がある。
オクラは、青森らしくヒバの香りをまとわせてあり、マッシュポテトは表面をカリッとするべく、餅粉を加え揚げている。
そして肉が素晴らしい。
今まで新保さんの経産牛を散々食べたが、この鹿児島経産は味が濃い。
一口目からぐっと迫る、たくましい味があって、それが最後まで継続して、余韻が長い。
どうしたのだろう。
こうして、名人が仕立てた魚と肉を、岡シェフが巧みに仕事を重ねて出す。
こりゃあたまらない。