ラ・フォルナーチェ
階段を降りていくと、小体な空間。
厨房に向いた四席のカウンターと背を向けた三席のカウンター。
厨房を切りもるは、二人の男性。
「面倒くさいのでつけちゃいました」という名前「ラ・フォルナーチェ」は、釜の意。
イタリアンバルゆえパスタがない。
酒呼ぶ小皿が揃っている。
自家製プレザオラ(牛の生ハム)食べて、「ひこいわしのマリネ」で白ワインやって、
馬の腸と白いんげんの優しき煮込みにほっこりし。
バジルとモッツァレラチーズのクレープ包みの思いがけない旨さに笑い出し、
肉汁滴るエゾ鹿のローストに、あわてて赤ワインを頼み、
長野産ルッコラのサラダで一休みし、
分厚い立派なトリッパの煮込みにワインが進む。
大胆に鶉にふられた塩の加減に唸り、
ブルーチーズとジャガイモのコロッケの按配の見事にのけぞった。
そして〆は、焼きリゾットの豚肉と玉ねぎ炒めかけ、うーむちょいとお下品、おこげが香ばしい。
三人でワイン二本、腹いっぱい。グラッパ三杯飲んで、19000円。
これぞ居酒屋ならぬ伊酒屋なり。
朝から深夜までの通し営業。
某有名店で働いていた若き二人の志やよし。