近くにあったら、通っちゃうのにな。

食べ歩き ,

ご覧の通り、街寿司である。
京極寿司は、長浜で60数年に渡って地元の人から愛されてきた。
かつてはこうした地方の寿司屋は多かったのだが、今は激減し続けている。
ここ長浜も、40軒あった寿司屋が10軒以下になってしまったという。
ローカルガストロノミーが歌われる一方で、寿司屋だけはますます大都市集権化していくのだろう。
そんな世の中で、京極寿司は三代目となって変貌し続けている。
従来の鯖寿司や出前、蒸し寿司もやる。
営業時間も、昔ながらのと押し営業である。
「もう寿司の握り方は忘れました。今は女性の手しか握れません」という、2代目のお父さんは、つけ台の中にはいるが接客担当で、息子の好きなようにやらせている。
薄く切って重ねた鯖の握りは、脂の品が際立ち、酢飯に混ぜて握ったウニは、優しさを見せている。
10日間寝かせたというブリの腹身は、脂の強さが丸くなって酢飯と馴染んでいる。
こうして、独自の工夫を重ねた寿司は、少しずつ花を開き始めている。
肴をかなりいただき、お酒を飲み、握りを15カンいただいて、約一万三千円。
近くにあったら、通っちゃうのにな。
京極寿司の全貌は別コラムを参照してください