白インゲン豆

食べ歩き ,

シェーブルのサラダを楽しみ
「スープ・ド・ガルビュ」が運ばれた。
スプーンを口に運ぶ。
白インゲン豆のやさしい甘味がくにゃりとつぶれ、生ハムの脂のコクが、後を追って溶けていく。
心を傾ければ、奥底に広がる太い滋味が、口腔を覆い、喉から胃の腑に落ち、体中の細胞に染み込んで行く。
7年前より、いい意味で「濃い味わい」になった。
「スープの育まれてきた長い年月を感じる、揺るぎのない“濃さ”ですね」。
そうシェフにそう答えると、
「毎年現地に行って、料理に触れ、感覚がずれないように、身体に染みこませるようにしてるんです」。
と、うれしそうに笑った。

「コム・ア・ラ・メゾン」にて