牛もつと白花豆。

豆部部長伊藤くん。また素敵な豆料理に出会いました。
店は「デプスブリアンツァ」です。
「牛もつと白インゲン豆の煮込み」というお題を出したら、予想を超えた料理を出したくれました。
奥野シェフは、白インゲンではなく、白花豆とホルモンを炊いたのです。
豆を齧ると、想像していたふんわりではなく、微かな微かな抵抗があって、歯が入っていく。
均一な硬さなのですが、まだ豆としての尊厳がある。
牛脂の甘みを吸い込みながらも、豆の甘みを感じさせる、
いや牛脂と豆の甘みが境なく、共鳴しあっていました。
なんとも穏やかだが、豆のたくましさが伝わってくるのです。
ホルモンという強い素材に対して負けてない。
互いが拮抗しながら味を高めていく、美しさがありました。
聞けば、豆を炊くのに三日間かけたそうです。
1日目極々弱火で、熾火のようにして1時間半で芯を抜き、
2日目は、それを温め直す感じ。
そして3日目は、ホルモンと合わせ料理に仕上げる。
こうしてできた料理は、古来人間に愛されてきた豆の偉大を伝えるものでした。