虎ノ門「香港焼味酒家 璃宮」

焼味のまこと。

食べ歩き ,

この照りを見て欲しい。

輝きを見て欲しい。

齧ればタレの味と肉汁がどどっと流れ込んで、鼻息が荒くなる。

焼きダレは、甘いが甘すぎない。

発酵した香りなど、溶けた様々な香りが脂の香りとまぐわって、人の精神を高ぶらせていく。

焼味(肉のロースト)は、広東料理の華である。

その焼味(肉のロースト)を焼き続けて約50数年、いまだ現役の梁さんは、日本最高、いや世界最高の焼味師である。

普段は銀座の赤阪璃宮にいらっしゃるが、今週は虎ノ門にきているので、特別にお願いした焼味を作ってもらった。

なにしろその焼く姿を、全国の広東系料理人が見に来るほどのレジェンドである。

強火を恐れず焼かれた肉は、芯まで火傷しそうなほど熱々で、香りが弾け飛ぶ。

豚スペアリブの黒胡椒焼き(黒椒排骨)

広東式腸詰め焼き(焼腸)

そして鶏の岩塩包み焼き(正宗塩火局鶏)。

豚トロの塩焼き(五香爽肉)

スペアリブを手で持って齧れば、目は血走り、腸詰めは、その複雑な香りが酒を呼び、優しく歯に食い込む豚トロは、いつまでも噛んでいたい。

そして塩包み焼鶏は、官能的な皮を、塩が丸く染みたしなやかな肉と一緒に、抱きしめる。

蝦醤風味の芥藍炒めと鹹魚豆腐、叉焼パイも、最後の海老ワンタンも惚れました。

梁さん、あなたがいれば、もう香港に行かなくていいね。

注)空腹時ならびに就寝前、仕事前に写真をアップして見ないこと。責任は持てません