混沌の美しさを宿していた。

食べ歩き ,

それは混沌の美しさを宿していた。
三日間マリネして煮込まれたすね肉は、ナイフに力を入れるまでもなく、ホロリと崩れ、舌の上でゆるりと味を膨らます。
赤ワインの渋みや酸味、チョコレートの甘い香りが、パプリカなど野菜の優しい甘みが、肉の滋味に染み込み、染み込み、抱き合い、新たな天体へと変身して、口の中を漂う。
その味わいは、人間の手によって生まれたものなのに、人智を超えた深淵の謎があって、自然界の不思議が胸をよぎる。
食べるごとにその不思議は輝きを増し、心をとらえて、我々を旨味の奥底へと引き摺り込むのだった。
「ブリアンツァ」のフリウリ郷土料理 「グーラッシュ」
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