流麗な水羊羹 2025.04.22 食べ歩き , 1日1甘 , 東京 , 割烹 , 和菓子 Tweet それは名にふさわしく、まさしく水だった。 匙で口の中に入れた瞬間、水となる。 ほのかに小豆の香りを漂わせながら、水となる。 歯の出番はない。 どうやって固まっているのだろうか。 ギリギリの際で固まっているので、流し缶から出すときも、包丁で切るときも。細心の注意を払わなければならないだろう。 脆く、はかない硬さがあってこそ、この菓子は美しい。 やがて夢のように、消えていき、再開を願う恋心が、自分の胸に宿っていることに気づくのだ。 新橋「味享」にて