東京とんかつ会議 第98 回西麻布「富士貴」

とんかつ会議 ,


東京とんかつ会議98
西麻布「富士貴」ロースカツ(大)1580円
肉2、衣2、油2、キャベツ2、ソース3、御飯1、新香1、味噌汁2、特記なし 計15点(各項目3点満点、特記項目含め25点満点)

 西麻布新進気鋭のとんかつ屋である。夜は各種のつまみほか、牛のすき焼きやしゃぶしゃぶなどを出していて、夜の早い時間に訪れると、近隣の住人らしき方々がとんかつを楽しんでいた。
 ロースカツは「ロースカツ」と「厚切りロースカツ」があって、ロースカツの(大)が厚切りの(中)と同価格である。「ロースカツ」は昔で言うところの「紙カツ」で、古川ロッパが「とんかつは薄い方がうまい」といった時代を回顧しているのだろうか?
 しかし昔と今では油が違う。精製した油を使うのではなく、昔はすべて皆ラードを煮溶かして使っていたはずである。だから衣の味にコクがある。一方肉は今より固かったろう。だから衣の味を楽しみ、噛み切りやすいカツを指して「薄いはうまい」といったのではなかろうか。
 この店の肉は、薄いながらも甘みを感じる。だが薄い肉を強火で揚げているため、食べ進むと余熱で火が通って味気がなくなってしまう。それゆえに厚切りかロースカツ(中)の選択がベストかもしれない。たたいて薄くしているのだろうか? 背脂がほとんどないのがこの店のとんかつの特徴である
 衣は粗い。それゆえに薄い肉とバランスが悪い上に、油を吸って油切れを悪く感じさせ、所々剥がれかけている。
 キャベツはみずみずしい。ご飯は、炊いてしばらく経ったか、ほぐれていなく、所々固まっていた。味噌汁は煮詰め過ぎたのか、ややしょっぱい。お新香は野沢菜が少しと寂しい。ソースは自家製と太陽ソース。自家製は香り高く、甘みはあるがしつこさのないソースだった。
 私が訪れた時は、店員が二人で、どちらも極めて愛想よく、心地よい。ただ、営業時間中に、客の目の前でメンチ用の肉を機械で挽くのは、やめられた方がいいだろう。

 

山本氏

肉2、衣2、油2、キャベツ2、ソース3、御飯1、新香1、味噌汁2、特記なし 計15点

河田氏

肉3、衣3、油2、キャベツ2、ソース3、御飯2、新香2、味噌汁2、特記 なし21点