東京とんかつ会議226回 渋谷「とんかつあきら」「特選アベル黒豚ロース」(定食)2400円
隔世の感がある。
かつてトンカツは、おじさんの食べ物だった。だがこの店では、20席中14席が20代の若者で、おじさんは、私1人である。しかも20代の女子2人連れが4組もいる。
若い女の子が2人で、1500円のとんかつ定食を食べに来る時代が来るなんて。
さてとんかつである。アベル黒豚とは、鹿児島の気候と飼料を生かしたバークシャー種の改良黒豚で、旨み・甘み・香り・柔らかさの面でトップクラスの品質を誇るのだという。
食べれば肉質はきめ細かく、肉汁も滲み、脂もさらりと溶けていく。しかしやや肉の味が弱く感じた。
衣は細かく、肉に密着していい。ただし油の香りが弱く、全体的におとなしいとんかつである。それゆえに、市販中濃ソースや自家製甘口ソースをかけると、ソースに負けてしまうので、塩がいい。
塩は2種類。ワイン塩とゲランドの塩である。後者は塩味が立ち、前者の方がまろやかなので、この肉にはワイン塩が合う。
おかわり自由のご飯、豚汁、きゅうりと大根の浅漬け、キャベツ共に、極上ではないが、平均点で、申し分ない。
卓上に生卵が置いてあり、TKGで締めることができる。







