東京とんかつ会議152回 BS-TBS「東京とんかつ会議」
2016年11月から毎月最終土曜日夕方BS-TBSで始まった「東京とんかつ会議」は、今週の放送2月23日で終了となります。今回の放送では、2年半に渡る「東京とんかつ会議」を振り返ります。
フェイスブックの「東京とんかつ会議」はBS放送によって、全国に知られるようになり、出版化もされました。
大分県国東の居酒屋のご主人からは、
「あっ、とんかつの人だ。おーいお母さん、とんかつの人が来たよ」と言われ、北海道で信号待ちをしていると、見ず知らずのおばさんから、
「あんたもいつもトンカツ食べて、大変だねえ」と声をかけられ、また銀座を歩いていると、いきなりおじさんに握手されて、知り合いだったのかなあと考えていると、
「今日福岡から来ました。いつも見てます。今日の昼は「成蔵」に行きました。明日は「すぎ田」です」と、嬉しそうに話をされました。
トンカツで幸せをつなぐことができた、感謝の2年半でした。あらためて、BSTBSの皆さんとスタッフに感謝します。
またこの番組では、司会の岩瀬恵子さんに、随分と助けられました。とんかつが運ばれ、箸をつけると、3人は黙ってしまうのです。よくあるTVの食バラエティーのように、食べてすぐに「おいしい!」とか「肉汁がすごい」とか言いません。
3人のおじさんは、3分ほど押し黙り、味を確かめているのです。この放送事故ギリギリの現場を、岩瀬さんのしゃべりで助けていただけました。
そして岩瀬さんがこの二年半で「とんかつ通」になり、よくトンカツを食べに行くようになったことも、嬉しいことの一つです。
さらに番組上で、最も面白かったのが、職人とのお話です。新橋「のもと屋」の岩井さんの、
「最近豚と会話できるようになったんです。今日はもう少し揚げてとか、もうそろそろいいよという声が聞こえるんです」という言葉が印象的でした。
そしてその次に荻窪「たつみ亭」のベテラン職人荒木さんにも聞いてみました。
「やはり長年やっていると。もう少し揚げろとか、豚の声が聞こえるんですか?」
「ん? そんなもん、聞こえるわけないだろ」。
そして番組最後には、「あなたにとってとんかつとは?」という質問をしました。すると18軒の18人の職人がすべていうことが違う。
成蔵の「三谷」さんは、「子供」。
「すぎ田」の佐藤さんは、「僕の中ではすべて」。
「ぽん多」の島田さんは、「歴史と文化」。
「あき山」の秋山さんは、「死ぬ前に一番食べたいもの」。
「とん八亭」の細川さんは、「分身であり、我が子でもある」。
「あげづき」の保科さんは、「人生そのもの」。
そして先の「たつみ亭」の荒木さんは洒落ています。一言、
「食うため」でした。
こうして、たくさんの職人のお話に触れられたこともありがたかったです。今週の放送では、肉・油・衣・キャベツ・ソース・ご飯・お新香・味噌汁の各項目で、それぞれどの店をベストとするかという討議もしました。題して「オールスターとんかつ定食」。
そして最後は3人がそれぞれ、未来に向けての「とんかつ提言」しますので、お楽しみに。
BS-TBS「東京とんかつ会議」は終了しますが、フェイスブックの「東京とんかつ会議」は、まだまだ続きます。これからもよろしくお願いいたします。