東京とんかつ会議126 殿堂入り審議 御徒町「とん八亭」

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議126 殿堂入り審議 御徒町「とん八亭」
御徒町「とん八亭」ロースかつ定食1800円 カツライス900円
<肉3、衣2、油3、キャベツ2、ソース2、御飯3、新香3、味噌汁3、特記1【ヒレ】 計22点>

とんかつ発祥の地、上野らしいとんかつ屋である。近所の旦那衆の常連で賑わう雰囲気。誠実なご夫婦二人で営まれる清潔な店内、店に入った瞬間に包まれる、甘いラードの香り、昼時のお値打ちな定食。創業は1947年と古く、今は三代目が守る。
 真面目に地道に商いを続け、長らく大勢の客に愛されてきたとんかつ屋である。客の愛着がしみた店内には、新しいとんかつ屋さんには醸し出せない空気が漂っている。
 そして昼の「かつライス」900円がいい。堂々たる厚さで肉のうまみを誇る「ロースかつ定食」も素晴らしいが、この庶民的な値段の中には、安くとも美味しいものを食べてもらおうという心意気が詰まっている。
 「ロースかつ定食」の重さを変えただけという、「かつライス」の肉は、十分に肉汁を含んでしっとりとし、脂の溶け具合の軽さもよい。低温でじっくりと揚げるかつの衣は、色は薄く、油切れはいい。肉と衣の一体感があって、とんかつを食べているぞという熱気を高めてくれる。
 キャベツは極細切りで上等。ご飯も甘くて炊き具合よく、大根、白菜、人参、キャベツによる新香も、質が高い。味噌汁は豆腐と三つ葉、豚肉が一片入った、とん汁風、ソースは甘めである。肉に香りがあって魅了する「ヒレかつ」2100円もおすすめである。
「常連になりたい」。店を出た時にそう思った。

山本氏

【肉3衣3油3ソース2キャベツ2御飯3味噌汁3お新香3特記平日のロースかつ定食1合計23点】

河田氏

肉3、衣3、油3、キャベツ2、ソース2、御飯3、新香3、味噌汁2、特記なし 21点(