東京とんかつ会議114「いちかつ」ロースかつ定食690円

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東京とんかつ会議114両国「いちかつ」ロースかつ定食690円
【肉2衣3油3キャベツ2ソース2御飯3味噌汁1お新香2特記串カツ1合計19点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

 清潔に富む白木のカウンターに、ずらりと座ったお客さんたちが、とんかつを食べている。壮観である。
 厨房にいる3人は、実にキビキビと無駄のない働きで、愛想もよく、飲食店の心得をきっちりとわきまえて、もう店には家羽だけで、「さあ食べよう』と清々しい気分となる。
 ロースかつ定食は690円と安いが、店には、おいしいとんかつを気持ちよく食べてもらいたいという気風にあふれていて実に清々しい。しかも写真をご覧の通り、カツは堂々たるもので、肉もトップクラスではないものの十二分にうまい。おそらくラードであろう。甘い香りをまとった衣は食欲を煽り、衣の油切れも良い。
 見ていると、揚げている合間に常にブロックからロース肉を切られている。背脂を少し掃除されたロース肉は、1人前に切られると、背脂の反対側のやや出っ張った部分を切り取り、その部分を背脂と肉の間に挟み込むと言う、変わった仕事をしている。
 やや甘めのソース、キャベツ、柚子風味の大根のお新香、山盛りで守られて出されるご飯も必要にして十分。しじみの味噌汁は、やや不自然なうま味が強く後味が悪い。ここをスッキリさせればさらに輝くのではないかと思う。
 玉ねぎを挟んだ串カツは、玉ねぎの火の通しがよく、なんとも優しく甘い。おすすすめである。安いゆえに肉の質などで20点に達しなかったが、とんかつ好きなら、今すぐにでも、是非訪れてほしい店である。