東京とんかつ会議64 大井町「丸八」の上ロースかつ定食1650円

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東京とんかつ会議64大井町「丸八」の上ロースかつ定食1650円
【肉2衣2油3ソース2キャベツ2御飯3味噌汁3お新香2 特記白菜の上新香とオムレツ1計20点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

大井町駅北口の東小路は、昭和初期の匂いを残す路地である。そこには「永楽」というラーメン屋があって、焦がし葱の浮いた醤油味の濃いスープと平打ち細麺に、もやし、煮卵、叉焼という構成の味は、まさに戦後の小さな贅沢を受け継ぐ味である。この「永楽」と同じ経営が「丸八」である。
清潔感の行き届いた、素木のカウンターには、ソース瓶と楊枝入れが簡潔に置かれ、客を出迎える。メニューは筆書きで、大きく店内中央に掲げられ、その堂々たる文字が、また食欲をそそる。二代に渡る家族経営の暖かみ、サービスのおばさん達と料理人の、阿吽お呼吸がピタリとあった連係プレー、お茶の差し替え、キャベツやご飯のお変わりなどの見事なタイミングなど、内装の雰囲気だけでなく、昭和の飲食店としての誠実が溢れた店である。
もうこれだけで、充分通う理由がある。「上新香」(300円、冬は白菜)、ロースハムやウィンナー炒めをつまみにして燗酒を飲み、最後にロースかつを食べて閉める常連の老紳士が多く、それもまたこの店の雰囲気を盛り上げている。
カツは、高温から中温という二つの鍋を使い揚げられる。細かい目の衣は、からりと焦げる寸前まで揚げられた茶色い姿で、たっぷりと漬けた玉子液が層になって、ラードの香りとともに、衣だけでも魅力がある。ただ少し揚げ過ぎか、衣はがれ易く、肉との間に空洞ができいつ部分もあるので、2とした。
肉の甘味は淡いが、この価格帯では最上級の一つだろう。ガリっと衣を噛み締めて薄めの肉に歯を食い込ませる。この辺りの昭和とんかつの香りは、もう都心には少なくなってしまった.ご飯は甘く、味噌と根菜の香りが鼻をくすぐる味噌汁も質が高い。ソースは甘味強く、キャベツはたっぷりと盛られる。通常のお新香はキャベツ.ぜひ冬限定の白菜の漬け物を追加で頼まれたい。
また、玉葱とハムのオムレツは美しい紡錘形に仕上げられ、中はとろとろ。塩加減も精妙で玉子の甘味が生き、これでご飯を食べる幸せも捨てがたい。

64大井町「丸八」の上ロースかつ定食1650円
【肉2衣2油3ソース2キャベツ2御飯3味噌汁3お新香2 特記白菜の上新香とオムレツ1計20点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

 大井町駅北口の東小路は、昭和初期の匂いを残す路地である。そこには「永楽」というラーメン屋があって、焦がし葱の浮いた醤油味の濃いスープと平打ち細麺に、もやし、煮卵、叉焼という構成の味は、まさに戦後の小さな贅沢を受け継ぐ味である。この「永楽」と同じ経営が「丸八」である。
 清潔感の行き届いた、素木のカウンターには、ソース瓶と楊枝入れが簡潔に置かれ、客を出迎える。メニューは筆書きで、大きく店内中央に掲げられ、その堂々たる文字が、また食欲をそそる。二代に渡る家族経営の暖かみ、サービスのおばさん達と料理人の、阿吽お呼吸がピタリとあった連係プレー、お茶の差し替え、キャベツやご飯のお変わりなどの見事なタイミングなど、内装の雰囲気だけでなく、昭和の飲食店としての誠実が溢れた店である。
 もうこれだけで、充分通う理由がある。「上新香」(300円、冬は白菜)、ロースハムやウィンナー炒めをつまみにして燗酒を飲み、最後にロースかつを食べて閉める常連の老紳士が多く、それもまたこの店の雰囲気を盛り上げている。
 カツは、高温から中温という二つの鍋を使い揚げられる。細かい目の衣は、からりと焦げる寸前まで揚げられた茶色い姿で、たっぷりと漬けた玉子液が層になって、ラードの香りとともに、衣だけでも魅力がある。ただ少し揚げ過ぎか、衣はがれ易く、肉との間に空洞ができいつ部分もあるので、2とした。
 肉の甘味は淡いが、この価格帯では最上級の一つだろう。ガリっと衣を噛み締めて薄めの肉に歯を食い込ませる。この辺りの昭和とんかつの香りは、もう都心には少なくなってしまった.ご飯は甘く、味噌と根菜の香りが鼻をくすぐる味噌汁も質が高い。ソースは甘味強く、キャベツはたっぷりと盛られる。通常のお新香はキャベツ.ぜひ冬限定の白菜の漬け物を追加で頼まれたい。
 また、玉葱とハムのオムレツは美しい紡錘形に仕上げられ、中はとろとろ。塩加減も精妙で玉子の甘味が生き、これでご飯を食べる幸せも捨てがたい。