東京とんかつ会議 191 京急蒲田「とんかつ大希」上ロースカツ定食二千三百円

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東京とんかつ会議 191 京急蒲田「とんかつ大希」上ロースカツ定食二千三百円
【肉3衣2油3キャベツ3ソース3ご飯3味噌汁2お新香3特記特になし合計22点】各項目3点満点特記1点総計25点
京急蒲田駅前ビルに新しくできたとんかつ屋である。とんかつ屋としては珍しい、大理石風カウンターとテーブル席に分かれ、店内は清潔感に富んで、心地よい。
 上ロースカツ定食を頼むと「前菜です」と言って、岩中豚のチャーシューとリエットが運ばれた。これまた珍しい。またとんかつを味わう調味料も、ソース、出汁醤油、辛子、塩、かつおだしのみぞれ汁と様々用意され、キャベツのドレッシングも、黒酢、梅紫蘇、味噌と3種類用意されている。新しくとんかつ屋を始めるにあたって、他店とは違うやり方を色々考えられたのだろう。苦心の跡が見える脇役陣である。
 ロースカツは、中心が淡くピンク色になった、美しい揚げあがりである。肉はきめ細かく、豚本来のうま味があって、脂の溶け具合や甘みの濃さもいい。そこにラードの香りをまとった中粗の衣が、サクサクと弾む。上出来のとんかつであるが、網に着地している面の衣がかなりしっけて柔らかくなっており、余熱の処理がコントロールできていないのだろう。ここを改善できれば、より良いとんかつを目指せる。
 脇役陣では、ご飯がいい。宮城県産ひとめぼれは、もちもちとした弾力があり、米の優しい甘みに満ちていた。紫蘇と紫キャベツをのせたキャベツの細切りは、みずみずしく、ソースはすっきりとして香り高く、大根とにんじん、きゅうりのぬか漬けも、とんかつの合いの手としての役目を果たしている。しじみの味噌汁は、やや煮詰まり気味で、ぬるかったこともあり、2とした。
 こちらが売りにしている、「白ひれ」ことヒレカツもいただいたが、低温のためか、やや油切れが悪く、この店では断然ローカツをお薦めしたい。また豚肉料理の前菜も6種類以上あり、かつ前を楽しむのもいいだろう。
 先ほどの前菜だが、大食漢ならともかく、お腹を空かして主役のとんかつを食べるには、サービスのしすぎかと思うので一考を望む。
山本氏
【肉3油3衣2キャベツ3ソース3ご飯3味噌汁3お新香3特記なし合計23点】
河田氏
肉3、衣3、油3、キャベツ3、ソース3、御飯3、お新香3、味噌汁2、特記 なし 計23点