東京とんかつ会議 第42回
芝大門「むさしや」の「極上ロースカツ定食」2300円
<肉3、衣3、油2、キャベツ2、ソース2、ご飯2、新香1、味噌汁1、特記なし 計18点>
「この霜降り肉をカツにします」。極上ロースカツを頼むと、ご主人が生肉を持ってきて見せてくれた。「普通の店だと、上や特上って言っても、厚さだけでなく、どんな肉を揚げているのかお客さんにはわからないでしょ。ステーキ店ではそうするのにね」。
こうして事前に肉を見せることにしたそうだ。使うは「平牧パーク三元豚」。いただいたのは、一等から6切れほどしか取れないというリブロースである。ロースト違い、肉の外側だけでなく、中心にも脂が差し込んでいるのが特徴で、肉と脂がバランスよく食べられる部位となる。
やや高温で揚げられたカツは、中心がレアの仕上がり。肉はきめ細かく、肉汁に富み、脂は甘く溶ける。中粗のカリッと香ばしい衣もいい。脂部分がもう少し火が通っていると、より食感が良く、おいしいのではないだろうか。その点で油を2とした。
油自体はラード中心で香ばしく衣にコクを出している。キャベツはみずみずしく甘いが、切り方がやや雑なのが残念。ソースは辛口の方が香り高く、いい。
ご飯は申し分ないので、味噌汁をもう少し丁寧に作ってもらえれば、素晴らしい定食になる。お新香はつかない。ゆえに1とした。
この肉は冷めてもおいしいそうで、その点から考えれば持ち帰り専用のカツサンドを、一度試してみなくてはいけない。