朝8時から刺身攻めである。
うれしい。
タコ、ふく、サワラ。
タコの吸盤の刺身が、クニュ、プリ、シコッと歯の間で弾み、舌を目覚めさせる。
サワラは、色気のある甘みを流し、フクのぶっかけ丼は、刺身やら皮やら所狭しと乗ったご飯を、ポン酢味で掻き込むという趣向である。
昔からお世話になっている望月さんの店「河久」である。
フクもいいが、下関タコは味が濃い。
茹ででも発色がいいという。
唐津市場で見たが、確かに足が太くて短い。
潮の流れが早いが、良質の餌が多い関門海峡で、海底の岩盤にしがみつくため、足が太く短くなるのだろう。
すべての動物はよく動いているやつの方がうまいのと同じ原則で、下関タコは味が甘くなる。
茹でても食感が痛快で、楽しくなる。
タコといえば、明石や久里浜だが、どうして日本有数の味なのである。