旬の歳時記  空心菜7*9

食べ歩き ,

「彩雲瑞」の空心菜の炒めは、命の露が漲っていた。

香りが弾け、青々しいうまみが凝縮されている。

聞けば、余分な水分が入らぬよう、洗ってから一時間置き、炒めたという。

それだけではない。味を最善に引き出さすように切る技、火加減、にんにく、塩、酒、スープの加減、蓋を閉める時間など、細心の注意を払われた結実が生んだ、味の凝縮なのだろう。

シンプルな空心菜炒めの芯に、「料理」の意味が燃えていた。