想像と実体験は別物である。

日記 ,

想像と実体験は別物である。
今回タレ焼肉の店「焼元食堂」を三日間やった。
前回は、「サッポロ一番劇場」を約三週間行った。
二回のイベントで味わったのは、飲食店のしんどさである。
もちろん想像はしていたが、実体験は想像を超えていた。
なにより一番辛かったのは、普段気付くことのない、見えないところにあった。
1日の営業が終わって、疲れ切った体での掃除やゴミ出し、売上計算(現金、カード、電子マネーなどに分けながら)、明日の発注などなど、やらなくてはならないことが山ほどある。
さらに二つのイベント共、新たに店を始めることと同じなので、事前の準備が多い。
「サッポロ一番劇場」の時には二度合羽橋に行って、備品を揃えた。
今回の焼元食堂も3日間とはいえ準備物は多い。
箸、箸置き、ワインキャップ、スプーン、トング、バット類、ボール類、タッパー、スポンジ、洗剤、たわし、グラス拭きふきん、タオル、ラップ、計算機、売上票、領収書、店名ハンコ、売上票ホルダー、ボールペン、セロテープ、ミニ金庫、消毒スプレー、メニュー表、膨大な器類、各種調味料、油、調理器具。
さらにこれらの搬入、搬出に二日かかる。
慣れない体には大変である。
二度のイベントを通じて、つくづく飲食店の方々の大変さを痛感した。
だが我々は予約で埋めているので、売上の心配や人材確保などの心配はないので、この辛さも序の口だろう。
ずっと立っているので、体力的にもかなり辛い。
三日間で、膝がボロボロである。
寝ても寝ても疲れが取れない。
僕が「いやあ、本当に大変でした、二度とやりたくない」と、ある料理人にいうと、彼は言った。
「本当に大変な仕事です、でも生まれ変わったら僕はもう一度飲食店をやりたい」。
老婆心ながら、飲食店と携わるフードライターやフーディー、料理研究家、料理雑誌編集者の方々も、是非体験してほしいと思う
辛さを体験して、飲食店の大変さを実感してもらいたいからではない。
大変な仕事に耐え、乗り越えてもなお、やり続けられている情熱と、飲食への愛を感じてもらいたいからである。
たがら今こそレストランにいきましょう。
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辛さに耐えながら、情と愛を注ぎながらも、コロナ禍で辞めざるを得なかった方々の無念を胸に刻みながら。