ここで毎日お昼をいただきたい。

食べ歩き ,

玉子豆腐は滑らかで、舌につるんと滑り込んで、ほのかに甘みを滲ませる。

柿なますは、柿と大根のバランスが見事で、きりりと締まった味の姿が美しい。

よこわと鯛のお造りを一枚いただいて、思わずお酒をお願いした。

炊き合わせは、小芋と蕪、高野豆腐と茄子である。

的確な火の通しと出汁の含ませ方で、どれを食べても「あ、おいし」と言葉が漏れる。

そして出来立てのだし巻と幽庵焼きに、ほくほくと心が笑っている。

最後は、白いご飯とお新香、ちりめんじゃこに白味噌椀。

気取りがないが、味には品がある。

人情が満ち、筋が通っている。

お昼ご飯は、お決まりで2千円。

ここで毎日お昼をいただきたい。

京都祇園「貴久政」にて