「心根」の料理は、てらいがない。
高槻から車で1時間弱の山奥で、築100年の古民家を改築した店は、山で採れたものを素直に味わってもらおうという思いだけが、満ちていた。
「草喰 なかひがし」の中東さんを敬愛し、少しでも近づきたいという情熱を沈潜しながら、皿に盛る。
野菜の扱いが素晴らしく、料理に清々しさを吹き込んで、我々の背骨をまっすぐにさせるような料理である。
山奥に店を移したのは、自らの心の奥にあるものを、澄んだ山の空気の中で見つけたい。
都会の汗や速度を洗い流し、自分の中にある真奥を磨きたい。
「心根」という店名には、そんな思いが込められているのではないだろうか。
片山さんと女将さんの屈託のなき笑顔には、そんな思いがにじみ出ているように感じられた。
「心根」の料理は