年明けに居酒屋をめぐる

食べ歩き ,

年明けに居酒屋をめぐる。
その楽しみの一つに、この時期だけの「おせち」がある。
おせちやその残りを使った料理が、品書きに登場するのである。
散々おせちを食べて、食い飽きたはずなのに、また頼んでしまう。
おせちのぶり返しで、正月気分に再び浸るめでたさと、だらりとした怠け者感がたまらない。
東向島の「岩金酒場」では、「数の子ひたし豆」というのがあって、すかさず頼む。ついでに「お雑煮」もあって、こいつではぬる燗をやった。
大衆酒場で老練な常連客に囲まれながらつつくおせちは、場違いな気分が調味料となって、家とは違う高揚感がある。
浅草「丸太ごうし」では、「おせちのつまみ」。
紅白なますと数の子、酢だこ以外は、これがおせち? と突っ込みたくなる要素があるけど、そのゆるさがまた酒の味を膨らませるのだね。
ちなみに左手前はきんとんかと小躍りしたが、キンカンの蜜煮だった。一字違いだけど、まったく違う。
南千住の「丸千葉」では、ずばり「おせち」。
みかんが微妙だけど、おせちらしい光景だね。
数の子のしょっぱさと花豆煮の甘さの両極で酒を飲む。
丸千葉の家族は、こんなおせちなのかなあと想像しながら酒を飲む。
ああ、正月明けの居酒屋めぐりはやめられん。

どなたか他に、あああそこはこんなのあるよという店があれば、教えて下さい。