大学芋の底力。

食べ歩き , 1日1甘 ,

大学芋の発祥には諸説あるが、大正から昭和初期にかけて神田や東京大学の学生がよく食べていたことから名付けられたというのが、有効のようである。

恐らく中国宮廷料理の芋の飴がけ料理「バースー(抜絲)」が、元になったのではと考えられる。

そんな大学芋発祥の地東京には、大学芋と一言にいっても様々なタイプがあるらしい。

まず周囲の飴がけの食感が違う。パリンッ、サクッ、カリッ、パリパリと、様々なタイプがある。

対して中の芋は、ホクホク、しっとり、ジュワッなど、タイプの違いが楽しめる。

その中で選んだのは、大学芋一筋75年、老舗の「千葉屋」である。店頭に立てば、蜜の甘い香りが顔を包む。

この店が素晴らしいのは、「揚げたて、蜜のかけたて」を一貫していることである。

注文をすれば、揚げたての芋に、開店以来注ぎ足しているという蜜をかけ、黒胡麻をかけて紙袋に包む。

出来立ては、指で持てないほど熱い。そこを耐えて口に運べば、カリッと飴が弾け、ほくほくの芋に歯が包まれる。

その対比的食感が素晴らしく、なによりも芋がおいしい。

時期によって一番いいさつま芋を探して使うという芋は、飴の甘さに負けぬ力強くも温かい甘みがあって、心を温める。

こうして出来立てを食べるのもいいですが、時間が経って、飴が芋に染み込んで一体となった味もいい。

どうですか。誰かそうした食べ比べをしてみませんか。