「東京の焼肉地図が変わったかもです」。
同席した焼肉通の女子が、コーフンして口走った。
内装もベタな店名も、店員の服装も外観も、値段もガスの焼き台も「昭和焼肉」である。
だがその質が極めて高い。
最初のタンでやられた。
まず美しい。
焼いても変なミルキーさはなく、脂のキレがいい。
続いてシマチョウの姿に惚れた。
これなら脂はあまり焼かなくていい。
皮側しっかり焼き、脂側はサッと焼くだけにして、上質な脂の甘みを受け取った。
厚切りハラミを焼いては雄叫びをあげ、ツラミの艶と焼いて和え合われるコラーゲンの旨みにのけぞり、角が立ったレバーのチョコレートに似た甘い香りに惚れる。
その後もカルビ、特製ポン酢おろしで食べる特選ロース、正真正銘のシビレ、思わずおかわりをしたヒレの赤肉で狂喜した。
そんな肉たちを迎えうつのは、6年日本一皇室献上米と来たからには、もう許せない。
とても危険な焼肉屋の誕生です。
麻布苑













































