鉄板串焼きの店である。
串に刺したそれぞれのネタを、鉄板で焼き、上からボウル状の蓋をかぶせたり、コテのような鉄板で押さえつけたりしながら焼いていく。
最初のキャベツ巻でやられた。
キャベツで何かを巻いているのかと思えば、キャベツだけをギュッと巻き締めてあったのである。
上には少しだけマヨネーズとしょうゆだれ。
キャベツの甘みが凝縮して、こりゃあ笑っちゃうね。
続いてレンコン肉詰めは、ミンチがほんのりカレー風味で焦げた醤油と相まって、これまたよろし。
赤ウィンナーを食べていたらご主人曰く
「これ石川の天狗ハムというとこの赤ウインナーなんです。一度品切れになって他を使ってみたら全くちがう味で出せんかった」。
赤ウィンナーの銘柄を厳選するとこが、他にはないねえ。
鳥の脂肝はねっちりと甘く、牛すじ煮込みはホロホロと煮込まれ、生麩は足が強くて、葉を喜ばせる
「このホソ美味しいですね」といえば
「ありがとう。ホソもいいのが入った時しかやらんです」。
面白かったのがカナッペと超目玉焼きチーズである。
カナッペは、パンの間に玉ねぎベースのソースを挟み、鉄板で焼いて出してくる。
サクッと噛めば、玉ねぎの優しい甘みが出てきて、気分がいい。
一方超目玉焼きチーズは、鉄板に置いたセルクルに生卵を落としてからチーズをかけ、蓋をして半熟に仕上げたのち、お好みソースとマヨネーズ、青のりをかえたものである。
半熟卵にお好みソース、マヨネーズにチーズという旨味攻撃の反則である。
皿に流れ出た黄身を余す処なく食べるように、パンもついてくるとこなんざ、憎いじゃありませんか。
京都祇園「竹茂」にて。