ラグジュアリーホテルと町中華。

食べ歩き , シメご飯 ,

町中華である。
町中華の命である、親しみやすさやご飯換気力はそのままに、時にエレガントに、時にぶっ飛んだ料理だった。
バンバンジー は、黒胡麻の香りが食欲を動かし、雲白肉はタレが完璧で、ため息が出る甘美を生んでいる。
焼売は、玉ねぎと豚肉の甘みが、どこまでも優しく、春巻は、極細同寸に切られた具材たちが、皮の痛快な食感と共鳴する。
酸辣湯は、海鮮の優しい滋味が口の中で広がって、スープの酸味を丸くする。
北京ダックは、ネギの切り方が精妙で、鴨川と脂の味わいを引き立て、油淋鶏は、カリカリと揚がった表皮と微塵に切られた野菜が対をなし、ナンプラーの旨みが持ち上げる。
蓮の葉の香りをまとった、「鶏とカシューナッツの炒め」は、ナッツだけでなく、蓮の実、クワイ、蓮根など、様々な食感が弾んで、楽しい。
「かに玉」は、たっぷりと入れられた蟹の身と玉子の甘みが抱き合う中で、まろやかな蟹のビスク風ソースが溶け合い、コブミカン油が、エキゾチックにアクセントする。
大豆ミートを使った青椒肉絲は、肉の豪胆が弱い部分、青椒の香りが強まって、この料理の本質を知らしめる。
麻婆茄子は芯まで熱々で、麻辣が弾ける中、ナスの甘みがとろりと崩れゆく。
冷やし中華は、凝らずに王道の味わいだが、ただ茹でたのではなく味を含ませたエビなどの仕事が丁寧で、そこへゴマダレと合わせた辛子の刺激を加えて、箸が加速する。
町中華の料理を次々といただきながら、ほんわりと、温かい気分になったのは、初めてかもしれない。
ジャヌ東京「虎景軒フージン」にて。