肉の味が違うのはわかる。
しかし内臓も異なるのだろうか?
ジビーフのマメ(腎臓)が2種類出された。
左が八産した10歳のいよりんで、右が3歳の未経産のえりこである。
エリコから食べれば、クリッと歯が弾み、あの腎臓の臭さは微塵もなく、淡い味わいである。
その生き生きとした身に、うっすらとした滋味が滲む、きれいな味が広がる。
方やいよりんはどうだろう。
クリッ。
同じような食感で、やはり臭みはない。
しかし味わいが深い。
濃いのではなく、味に複雑なしぶとさがあって様々な味が交錯している。
そして噛んで噛んでなくなる刹那、ふっと草の香りが漂う。
それは、働き続けたものだけか宿す、深化なのか。
命の神秘を感じて、鳥肌が立った。
イルジョットにて。
ジビーフの腎臓は、和牛に比べて小さい。
あのでかい図体なのに、こんなに小さいのかと思うほどちっぽけである。
それは、水分90%の草だけを食べ、水分をごくごく飲んでいるからだという。
だから余分なものを濾すという、腎臓の働きが少ないからである。
ゆえに味が澄んでいるのであった