ズッキーニ・トロンベッタ

食べ歩き ,

最近立て続けに、ズッキーニ・トロンベッタ(トランペットズッキーニ)をいただいた。

トロンベッタは、リグーリア州、特にアルベンガ市周辺で主に生産されるズッキーニの一種なのだという。

長さは40~50cmほどで、下部がふくらんだトランペットのような形ゆえに、その名前で呼ばれている。

見ると、トランペットよりもトロンボーンに近いね。

ズッキーニやきゅうりと同じ瓜科だが、中の種が少ないか小さく、肉質がいい。

かつ普通のズッキーニより甘みが強く、ナッツやアボカドのような香りがあり、加熱しても煮崩れしにくい。

一つは、三軒茶屋のコジコメで、蒸し煮にされていた。

口に運べば、とろんと甘く、一口で魅了される。

レモンをかければ、酸味が甘みをエレガントに変え、できればこの皿を独り占めして食べたいと、思わせるのだった。

もう一軒は、赤坂の「Per te」である。

こちらは薪の火で焼かれていた。

食べると、火傷してしまうほど熱い。

しかも芯まで熱い。

ホッホッと言いながら食べると、優しい甘みが滲み出て、表面のいささか焦げた香りや苦味と相まって、心が掴まれる。

蒸し煮よりも、特徴であるナッツ香がして、それがまた食欲を掻き立てるのであった。