コンビネーションサラダください <京都の平生>34

食べ歩き ,

コンビネーションサラダください」。
店に入り、座るなり、メニューも開かずに頼んだ。
イノダ京都駅店である。
「は?」ウェートレスが首をかしげる。
「ああ、この支店はおいてないのね」と咄嗟に理解し、メニューを開いた。
この店のコンビネーションサラダがたまらなく好きなのである。
野菜は冷え、新鮮で切りたてである。
若干キャベツが多いのが気になるが、それは良しとしよう。
ポテトサラダが優しい味わいで、大変よろしい。
20分前から「イノダのコンビネーションサラダ、イノダのコンビネーションサラダ」と唱え、イメージトレーニングしてきたのに、ない。
ところがメニューを開くと、「野菜サラダ」があるではないか。
そう、正式名称は「野菜サラダ」なのである。
さっきのウェートレスが、単に気が利かないのかもしれない。
だがコンビネーションサラダの存在と名称を知らないのかもしれない。
運ばれてきた「野菜サラダ」は。期待通りの瑞々しさで喉を潤す。
オーロラソースとフレンチドレッシングの両方を交互にかけながら楽しみ、主菜は「ポークヒレカツサンド」を頼んだ。
ああ新幹線登場前の幸せなひと時である。