今年最初に心が震えたのは、キク科の多年生植物と米だった。
ラディッキオ・ディ・トレヴィーゾのリゾットである。
ラディッキオと米、チーズと水だけで構成されたリゾットを一口食べた瞬間、体の力が抜けた。
ゆっくり休んでね。
そう言われた。
ラディッキオの苦味がある。
微かにチーズのコクがある。
しかしその三者が丸く融合した時、赤ワインの素晴らしさに似た、なめらかなタンニンと複雑な旨味が忍んでいるのである。
赤ワインは入れてない。
それぞれの量のバランスと加熱具合によるのか。
シンプルなリゾットに込められた繁雑なるうまみに、僕はただただ、官能を沈めていく快感に酔った。
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