カラスミと餅の結婚。

食べ歩き ,

カラスミ餅である。
幾度も食べたことがある、カラスミ餅である。
だが今までのカラスミ餅とは違った。
カラスミを鋳込んだ餅を、一旦揚げてから炭火で焼く。
手づかみで食べると、歯の間でカリカリと軽い音が響いた。
なによりも香ばしい。
食欲をわしづかみする香りである。
そして中からカラスミ が現れた途端、焦げた表皮のうまみと共鳴するではないか。
それはただの焦げ焼きではなかったのである。
餅の表皮に餅粉がついていた。
その餅粉は、生の餅米を一晩魚の出汁に漬けてから蒸し、それを乾燥させて干し飯を作り、粉状にしたのだという。
それゆえのうまみ、焦げのうまみの深さ、カラスミとの相性。
恐るべし「明寂」。