まながつおは生きている。 2017.10.14 食べ歩き , 東京 , 和食 , 白身魚 , 割烹 Tweet まながつおは生きている。 半世紀経ち、銀の輝きが沈んだ魯山人の銀彩皿とともに、呼吸をしている。 魚も皿も、人の手がかけられているのに、それらは人間から離れて、限りなき自然の中にいる。 箸をそっと入れた。 甘い湯気が上った。 「食べて」。 魚が耳元で囁く。 噛む。 たくましくも優しき味が、細胞に染み渡る滋味が、心を静かに座らせる。 辻留にて。