どこにでもある

食べ歩き ,

どこにでもある食材から奇跡を生み出す。
優れた料理人たるゆえんである。
イワシとジャガイモのオーブン焼き。
ジャガイモの甘みとイワシの質実なうまみが抱き合って、笑顔が自然と生まれる。
気の合う友人たちと「おいいしいねえ」といいあい、ワインを交わす。
幸せがにじり寄り、互いの距離がぐっと近づく。
パレルモ風カポナータ。
軍鶏と茸のサラダ。
マグロのオイル漬け柿のマルメラータ。
野菜と豆のごった煮。
ヒラスズキのクルードと文旦。
おいしさを、胸に手を当ててしみじみ噛みしめたくなる料理。
繊細と緻密な計算が、それをなしているのだろうが、一切感じさせない料理。
シチリア料理なのに、懐かしさが滲む料理。
今夜もおいしさを、ほのぼのと楽しんだ。
変わらず人気、「ロッツォ・シシリア」にて