六本木「ラ・ブリアンツァ 」

とてつもなくエロい。

食べ歩き ,

エロエロである。
これがシェフの本性なのか。
普段は炭火焼きにするが、今回はフライパンで焼いた肉である。
新保さんが、フライパンで焼くようにと送ってきたのだという。
おそらく普段の牛肉より、脂が多いのか。
表面だけ焼き色をつけ、中はじっくりと火を入れていったのだという。
噛めば肉が、てろんと舌にからんでくる。
脂の豊かな甘みか、ふわりと立ち上がる。
それが官能をくすぐって、いやらしい。
その時、炭の香りが漂った。
牛骨と鴨骨、玉ねぎでとったブイヨンに、熱した炭を入れたのだという。
色気を放つ肉に、猛々しい炭火の香りが横切って、妖しさを増す。
肉は、まだ命を宿しているかのように、舌をもてあそびながら、いつまでもいつまでも味を膨らませながら、消えていった。
「ラ・ブリアンツァ 」にて。