水羊羹・広尾・久田
人気割烹が作る水羊羹。麻紐で縛られた18.5×10センチの細長い小箱に入れられて三千円。蓋を開けると、箱流しにされた、一面の水羊羹。しゃもじですくって食べれば、誰もがその食感に目を丸くする。水気たっぷりで、崩れるギリギリの状態で固まっている。口に運んだ瞬間、ふううわりと溶け、噛むまでもなく消えていく。幻のごとき食感。みずみずしい餡の豆の香りが鼻に抜け、品格のある甘味がさらりと舌を流れる。国産大納言を5時間炊き、手作業で仕上げた、これぞ水羊羹と呼びたい逸品。高価だが一箱で十人ほどが楽しめる。進物にすれば、驚き、喜ばれること必至。