こんな「モツ煮」が食べたかった。

食べ歩き ,

こんな「モツ煮」が食べたかった。
「新鮮なので、茹でこぼしはしません」。そうシェフは、どこか嬉しそうに言った。
ギアラ、蜂の巣、小腸を茹で、そのエキスや脂が溶け込んだスープと野菜や豆を入れて煮込む。
オーブンで、鍋の蓋をせず、、焼いていくことによって、わずかにあるモツの臭みもなくなるのだという。
野菜や豆の優しい甘みとモツ脂の濃い甘みが渾然と抱き合った煮込みは、心を振り立たせながら、穏やかにもする。
煮込みのうまい料理人は、信頼できる。
思わず「豆の煮込みはやらないんですか?」と聞いたら、「出していたんですが、頼まれれる方が少なくて、今はやっていないんです」と、悲しそうな顔をされた。
よしそれなら僕らが食べに来るからね。

広尾「ボッテガ」にて。