仙台「一心」

きくわた焼いて。

食べ歩き ,

北海道では「タチやタツ」。青森県では「タヅ」。秋田県山形県福井県では「だだみ」。京都では「雲子」などと呼ばれる鱈の白子を、仙台「一心」で焼いてもらった。

岩手や宮城では、菊の花に似ていることから、「きく、きくわた」と、呼ばれる。

香ばしく焼けたきくに、塩をちょいとつけて、一口でほおばる。

はふはふとあえぐ舌に、すかさず「乾坤一」を流し込む。白子の精が、酒に酔って香りを開き、いやらしくもなって、僕は、へなへなと力が抜けて、陥落する。

 

写真はイメージ