お香り丼。

食べ歩き ,

ちりちり。
音を立てる土鍋の蓋を開けると、
「おおおっ」。
ジャスミンライスとハムユイが、エッチな香り放出し、手招きしている。
鼻の穴開き、再び
「おおっ」。
「タレをかけ回しまあす」。
「それでよくよくかき混ぜまあす」。
ああやめて。
僕の食欲いたぶらないで。
「香菜かけて、ほぐしたハムユイ混ぜてできあがり」。
まいった。
食べる前に、おいしいとはこのことだ。

ハムユイのお匂いが、長粒米の香ばしさが絡み合い、民族のたくましさが舌の上でのた打ち回る。
「辛いのがお好きなら、これを少しつけても」。
うっ。なんで僕のツボを突く。
かぼちゃなどで作った、黄色いラージャンつけりゃ、
ああ、誰か止めてくれい。